米国経済の展望とドルの行方
米国雇用統計は大方の予想に反して前月から雇用減少幅が拡大し、失業率は9.8%といよいよ二ケタが視野に入ってきました。自動車買い替え促進政策など各種の経済対策の効果が徐々に剥落し、雇用市場が再び悪化し始めたことで、景気の二番底懸念が高まってきました。超低金利の長期化観測も強まり、今週はドル安基調が一段と強まりそうです。
G7共同声明は、為替相場について、「過度な変動は経済・金融の安定に悪影響」と従来の文言を繰り返すにとどめ、ドル安には直接言及しませんでした。ドル安の流れを変えるには不十分であることはもちろん、より強い警告を見込んでいた向きにとっては失望となったことでしょう。今週はドル円88円、ユーロドル1.48台をうかがう場面も想定しておく必要があると思います。
米国は「世界的な経常不均衡是正」のため、日本や欧州などの経常黒字国に対して内需振興を強く求めています。ガイトナー財務長官は「強いドル政策」を強調しているものの、実際には何ら具体的な政策を打ち出しているわけではなく、事実上ドル安を放置しているともいえます。
米国経済はインフレの心配もなく、巨額の米国債発行にも支障がないため、現時点では、ドルの基軸通貨としての信認をある程度犠牲にしても、輸出競争力向上につながるドル安のほうがメリットが大きいわけです。藤井財務相の円高容認発言も、実はこうした米国のスタンスに配慮したものと考えるべきなのかも知れません。
なお今週は火曜日にRBAが金融政策を発表します。政策金利は3.0%に据え置きが濃厚ですが、前回の会合でスティーブンスRBA総裁は「経済は予想以上に力強い」と発言しており、その後発表された第2四半期GDPが前期比+0.6%と大幅な伸びを見せたこともあり、11月の会合での利上げ開始に向けて地ならしが始まる可能性があります。もちろん今回利上げの可能性もわずかながらあると思います。豪ドルに関しては強気スタンスを継続したいと思います。
今週の注目米国経済指標
5日(月)
23:00 米 9月 ISM非製造業景況指数(前回48.4、予想49.8)
6日(火)
12:30 RBAキャッシュターゲット(前回・予想とも3.0%に据え置き)
米国3年債入札390億ドル
7日(水)
米国10年債入札200億ドル
8日(木)
9:30 豪 9月 失業率(前回5.8%、予想6.0%)
20:00 BOE政策金利発表(前回・予想とも0.50%に据え置き)
20:45 欧州中央銀行発表金利(前回・予想とも1.00%に据え置き)
米30年債入札120億ドル
9日(金)
21:30 米 8月 貿易収支(前回−320億ドル、予想−330億ドル)
【注目ポイント】
◆ 米国景気の二番底懸念
◆ G7共同声明に失望
◆ RBAは利上げ検討へ
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